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環境にもっともやさしく、木でありながら木の短所を補える理想の技術。それがモックル処理です

モックル処理材は一般の防腐処理材ではなく、改質木材です。

薬剤の成分が白蟻やカビを殺すのではなく、木材内部で重合定着し、ある種の膜をつくり、白蟻や木材腐朽菌が木材を養分として吸収することを防ぐことにより、木材の弱点を克服し改質化させるところに最大の特長があります。

モックル処理とは

モックル処理は、従来のように殺菌・殺虫力のある薬液を木材に注入すのではなく、薬液を木材内部で化学変化させて防腐・防蟻・寸法安定をもたらせる科学改質処理であり、モックル処理された木材は科学改質処理材です。
主な成分は、有機酸亜鉛・ポリエチレングリコールメタクリレートの2成分で加熱処理することにより、たがいに重合し木材に定着します。(酸化亜鉛含浸処理)

モックル処理液の主成分とその効果

成分有機酸亜鉛ポリエチレングリコール
効果防腐・防蟻膨張・収縮率の減少及び変色の減少
モックル処理された細胞

モックル処理液は、加熱・水分の蒸発により科学的に安定した難水溶性の樹脂に変化します。この化学変化により長期にわたって処理効果を維持させることができ、木材の耐用年数を延ばすことが可能となります。

従来の木材防腐処理

従来の薬液は、砒素化合物や、農薬等で使われていた殺菌・殺虫力を持つ物を木材防腐薬液に転用したものが多くありました。しかし、環境汚染との関連で、つぎつぎと使用が禁止されてきました。」
5種類の防腐注入処理
特殊な機械(圧力釜のような物)を用いて強制的に薬液を木材中に注入する方法です。
防腐注入処理は、JIS A 9002「木質材料の加圧式防腐処理方法」 に基づき行います。

CUAZとは

弊社が主に土木製品・造庭園資材および景観製品に使用しているのが、有効成分名『CuAz』 です。
銅・アゾール化合物系の木材防腐剤で、銅が配合されているため淡緑色に着色されてしまいます。よく木製の柵などで頭の部分や土に接している部分に銅板が施されているのは、銅の成分は腐朽に強いからです。アゾールには殺虫・殺菌効果があります。
現在、安全性の高い低毒性の環境配慮型防腐剤として広く普及している薬剤のひとつです。

ACQとは

アンモニア・無機銅塩および4級アンモニウム塩化合物系の木材防腐剤です。AACが土中で効果が劣る事を改善するために銅を混入してあるものです。そのため木材は淡緑色に着色されます。
CuAzと同等薬剤で、同じく安全性の高い低毒性の環境配慮型防腐剤として広く普及している薬剤のひとつです。

AACとは

アルキルアンモニウム化合物系の木材防腐剤で、約20種類のAAC類の防腐効力が確かめられていますが、よく使われるのは、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(DDAC)やアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)です。元々は殺菌剤で、現在も消毒液として使われています。
初期の防腐防蟻効果は高いのですが、土中や地際・水際では防腐効果が劣ります。溶液は透明で木材を着色しません。

AZNとは

アゾール・ネオニコチノイド化合物系の木材防腐剤です。上に挙げた3種類は水溶液に木材を含浸および加圧するいわば湿式注入法ですが、AZNは溶媒に水を使用しない乾式注入法です。湿式注入では薬剤の水溶液を注入することで、材が膨張し又その後の乾燥の過程で寸法が変化することがありますが、乾式注入だと水を使わないため寸法の変化がありません。この為、建築用途の材料の注入に利用されるケースが多いようです。
注入による木材への着色はありませんが、処理工程の中で電極盤を用いるため、含水率が高いと焦げた様になる事があるそうです。

酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)とは

防腐・防蟻薬剤の同じカテゴリーに入れていますが、これまでに挙げた防腐技術(CUAZ/ACQ/AAC/AZN)と大きく異なるのは、他処理は基本的に配合されている殺虫成分等で腐朽菌や白ありを撃退して木を腐らせないのに対し、酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)は殺虫成分等を全く含まない薬剤を使用。完全無毒・無害の木材防腐技術であると言う点です。

現在ではCCA処理材廃棄の際の毒性が環境面から問題視され、ほとんど使用されなくなりました。また、クレオソート処理材においては健康上の問題から一般消費者への使用が規制されるようになりました。

モックル処理は耐光性に非常に優れ、木材のもつ風合いを損ないません。

銅系の薬液で処理された木材は緑色に変色変してしまいます。しかし、モックル処理は無色の薬液を使用するため、木材の色合いを保ちます。また、溶剤には水を使用するため、異臭がすることもありません。表面のベタツキもなく、無処理と同様に加工することができます。

更に、木材のもつ本来のよさ(断熱性・保温性・吸音性・吸水性等)を長期間持続させることが可能です。
モックル処理に使用する木材は、主に国産(杉・檜)の間伐材を有効利用し、処理された木材の耐用年数は、設置条件によって異なりますが、なにも処理を施さない木材の約3~5倍(10~20年)程度と見込まれております。

モックル処理は環境にもっともやさしく、安全です。

モックル処理は人体に有害とされる重金属などは使用しておりません。使用する液の主成分に含まれている亜鉛は、生物にとって必須元素のひとつとしてあげられるばかりではなく、鉄製品のメッキ・電気製品の陰極等、日常生活でも多岐にわたって使用されています。また、その他の成分も繊維や化粧品などに使用されているもので、自然に優しく、安全性にも優れており普通木材と同様に安心してご使用いただけます。
さらに廃棄する際も、無処理材と同様に焼却処理が可能で環境汚染の心配がありません。

成分有機酸亜鉛ポリエチレングリコール
用途ゴルフボール
ベビーパウダー
紙おむつの吸収剤
化粧品・手荒れ防止用のームクリーム

モックル処理木材と金魚 モックル処理木材と金魚
▲金魚を使った安全性試験

モックル処理の注入方法及び処理工程

材料の受け入れ検査から加工場への出荷まで。

  1. 材料搬入
    木材(杉・桧)を受け入れする。
  2. 材料検査・材料セット
    受け入れした材料を、各等級に応じて検査を行う。
    含浸槽にあわせて、材料を効率の良い大きさにセットする。
  3. モックル処理
    1. 材料を含浸槽に入れる
    2. モックル処理液を、木材が浸るまで投入する。
    3. 減圧操作を行う。
    4. 所定時間の加圧操作終了後、タンク内部を常圧に戻す。
    5. 加圧操作を行う。
    6. 所定時間の減圧操作終了後、タンク内部を常圧に戻す。
    7. 減圧操作を行う。
    8. 所定時間の減圧操作終了後、タンク内部を常圧に戻す。
    9. モックル処理液を移送搬出する。
    10. モックル処理液注入済木材を搬出する。
  4. 養生
    モックル処理済木材を、直射日光の当たらない風通しの良い場所に保管する。
    注入むらを抑える事及び、熱処理時間の短縮を目的とする。
  5. 熱処理
    乾燥炉にて蒸気加熱を行い木部内部の処理液を硬化させる。
    木材自体の乾燥は、生材より軽くなる程度で家具に使用する木材のような乾燥は行っていない。
  6. 材料出荷
    「5」の工程を終了した木材を加工場に出荷する。

モックル処理工場

モックル処理工場 モックル処理工場

ミロモックル商品の主な用途

街路・広場木レンガ・木タイル・照明灯・プランターボックス
修景施設花壇・灯籠・樹木保護・モニュメント・デッキ・木橋・砂場框
休養施設休息所・シェルター・日蔭棚・ベンチ・野外卓
遊技施設木製遊具類
便益施設塔時計・水飲み場・手洗い場・トイレ
管理施設門・フェンス・車止め・掲示板・標識・樹名板・くず箱・灰皿・護岸
その他特殊工作物・観覧席・健康器具・バーベキューハウス・ログハウス・コテージ等

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